イタリアスーツとイギリススーツの違いは?

カッコいい経営者の着こなし

 

こんにちは!アプンティートの高田総一郎です。

 

「イタリアのスーツとイギリスのスーツとでは何が違うんですか?なぜ高田さんはイタリア推しなんですか?」

 

先日、お客様から頂戴しましたご質問です。

 

今日はまず、イタリアスーツとイギリススーツのそれぞれの特徴と違いついて書かせて頂きます。

 


イタリアスーツの特徴

 

イタリアと言っても北のミラノと南のナポリでは、スーツの文化が異なります。私が言うイタリアスーツとは、ナポリの文化と考えて頂ければと思います。

 

ちなみに、ミラノのスーツはプレタポルテ(既製品)の文化です。オーダーメイドではなく、大量生産の文化と言えますが、グッチ、ジョルジオ・アルマーニ、ドルチエ&ガッバーナ、プラダなど多数の有名ブランドが最先端の最高のバランスでスーツを生産しています。

 

対してナポリのスーツはオーダーメイドが基本です。サルトと呼ばれる仕立て屋がオーダーをした人の体型に合わせてスーツを縫製していくというスタイルです。

 

スーツと聞くと四角張った伝統的なスタイルを連想される方が大半ではないかと思いますが、南イタリアナポリのスーツの特徴は、「軽さ」と「遊び心」です。極力無駄なものを省き、なおかつオシャレな要素を込めることがナポリスタイルなのです。

 

マニカカミーチェ

 

パッドや固い芯を省き、あえてギャザを入れることで、やや丸みのある肩を表現し、柔らかな印象を与えます。

 

 

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私もマニカカミーチェ仕様のスーツを数着持っています。

 


バルカポケット

 

バルカとはイタリア語で船のことです。胸ポケットの形が船底のようにカーブしているものを言います。これは人間の胸のあたりが曲線なので、あえてカーブさせることで収まりがよくなり美しく見えるようにするためのものです。また、ナポリの職人がカーブという自身の技術の高さを誇示するために生まれたものだと言われています。

 

 

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本切羽・重ねボタン

 

本切羽とは、袖口のボタンが外れる仕様のことを言います。また、重ねボタンとは、ボタンが重なっている仕様のことです。
まず、ジャケットの袖口ボタンの起源はナポレオンにあると言われています。遠征中の兵士が皆、袖口で鼻水を拭っていたため、それをやめさせるために考案されたそうです。

 

本切羽は外科医が診療の際に腕まくりをしやすくするために生まれたと言われています。これもナポリ独自文化で、ナポリの職人がイギリススーツとの違いをアピールするために考案したそうです。
また、重ねボタンもナポリから始まった文化だと言われています。時間と手間がかかる手付けでしか付けられないということで、こちらも高い技術を誇示するためのものだそうです。

 

 

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イギリススーツの特徴

 

イギリスはスーツ業界では英国と呼ばれます。英国はスーツの発祥地で最も長い歴史と伝統を持っています。イタリアのような遊び心やテクニックはなく、伝統的な王道スタイルが英国スーツの特徴です。また、英国では、スーツ購入の際はオーダーメイドが基本です。

 

全体的に角張ったシルエット

 

肩パッドを使用し、肩を四角く見せたり、ウエストをシェイプしたり、構築的なシルエットがイギリススーツの特徴です。やや丸みを印象付けるイタリアスーツと違う点です。

 

 

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チェンジポケット

 

ジャケットのウエストポケットが二段になっている仕様で上側の強いさなポケットのことをチェンジポケットと言います。チェンジ=変化ではなく、小銭のことです。小銭を入れておくためのポケットという意味です。元々の由来は、英国の貴族が狩りをする際に弾薬をいれておくポケットであったという説もあります。ブリティッシュスタイルの象徴と言われています。

 

 

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同じくオーダーメイドの文化であるものの、両国のスーツにおけるスタイルは異なります。イタリアはきっちりとしたビジネススーツの中にも「遊び心」、イギリスは「伝統」そんな特徴があります。

 

次回は、素材の違いと合わせながら、なぜ両国のスタイルが確立されていったか、そしてなぜアプンティートがイタリアを取り入れているかを書かせて頂きます。

 

 

 

愛知県名古屋市東区葵

経営者専門オーダースーツサロン Appuntito(アプンティート)

代表 高田総一郎